2020年12月20日

書籍化デビューできない人の特徴10選

投稿者: フィーカス

 ツイッター上では、たくさんの人をフォローしていますし、私をフォローしてくれている人もいます(とはいえ1000人程度ですが)。

 常にTL(タイムライン)では自作、あるいは書籍化した小説の作品の宣伝が流れていますし、新刊、デビュー報告なんかもあります。

 執筆スタイルも様々で、毎日更新している人、趣味程度に書いている人、高い評価を得ている人、今は仕事の都合などで執筆していない人などいろんな人がいます。

 そんな中、「いずれは書籍化したいと思っている」人は多いですが、書籍化できていない人は多いです。

 もちろん、そんなに簡単に書籍化できれば苦労はしません。ただ、書籍化志望なのになかなか書籍化に至らない人には、ある程度傾向がみられると思います。今回は、書籍化デビューできない人の特徴について考えてみました。

 なお、これらはすべて私の主観的な判断であることはご了承ください。当てはまるからと言って絶対書籍化デビューできないというわけではないですし、当てはまらなければ書籍化デビューできるというわけでもありません。

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1.他人、他作品の批判・悪口ばかり言う

 他の人が書籍化デビューしていたり、他の人の作品が人気が出ていたりすると焦る気持ちは分かります。

 ただ、そういう時に「あの人は書籍化しているけどああいう人だ」とか、「あの作品はここがダメだ」とか、他人や他作品の批判ばかり、悪口ばかりいう人がいます。

 ある程度の批判をしたい気持ちは分かりますし、何かの発言を見て気分を害することはあるでしょう。ただ、批判や悪口というのは癖になりますし、言ったからといって自分や自作品が良くなるわけではありません。

 あと、批判をするとなんとなく賢くなった気になったり、客観的に見ている気になったりしがちですが、正直批判なんて誰でもできるものです。

 私も以前はよくタグなどで募集して、いろいろ意見を言っていました。最初は悪い点をかなり書いていた記憶がありますが、最近ではできるだけ良い点も書くようにしています。

 どんな作品にも良い点、悪い点はありますし、どんな人にも長所、短所はあります。また、それは人によっても感じ方に大きく差があります。

 人の悪口を言うと、悪口を言われた人よりも言った人の好感度が下がるという心理的な結果も出ていますので、批判や悪口はできるだけ、意識して避けるようにしましょう。

 余談ですが、私の周囲では批判ばかりしていた人、悪口ばかり言っていた人は大体書籍化できず消えましたし、書籍化デビューした人はあまり批判や悪口を言わず、いつの間にかデビューしている人ばかりでした。

 デビュー出来る人は、批判や悪口を言う暇が無いのです。

2.創作論で不毛な言い争いをしている

 創作論ばかり語っている人も、書籍化志望なのに書籍化デビューできない人が多いです。これを書くと「お前も創作論ばかりじゃないか」と言われるかもしれませんが、はい、その通りです(

 ダニング・クルーガー効果というものがあります。要するに、能力が低い人ほど自分を過大評価しやすく、能力が高い人ほど過小評価しやすい傾向にあるというものです。運転免許を取った後、運転に慣れたころに事故が多いというのもこれが関係してくるのではないかと思います。

 小説を書き始めてしばらくすると、いろいろ知識がついてくるようになります。その頃になると「自分は誰よりも小説が詳しい」と思うようになります。その時に「創作論」を語りだすことが多くなります。

 創作論を語ること自体については、私は悪いことではないと思っています。自分の考えをきちんと言語化して他の人に伝えるというのは、簡単なようで難しいことです。それに、言語化することで、自分の思考を整理することができます。

 ただ、創作論は人それぞれ異なっていますし、ある程度「こうした方がいい」というものはあるものの「絶対にこうしなければならない」というものはありません。小説の表現方法は、基本的に自由だからです。従って、創作論で言い争うというのは、大抵の場合不毛なのです。書籍化デビューできない人は、創作論で不毛な言い争いをしがちなのではないかと思います。

 ちなみに書籍化している人たちは「創作論語り」をしないのかというと、そんなことはありません。ただ、あくまで「自分はこういうスタイルだ」「私はこういう意見だ」とさらっと1ツイートくらいでまとめるにとどめています。それ以上追及している人は、書籍化作家さんではあまり見ません。

 創作論を語ってはダメ、ということではないですが、あくまで自分の意見という範囲でとどめておき、押し付けたり他人の意見を断固として否定したりしないようにした方が良いでしょう。

3.定期的に更新していない

 執筆スピードは人それぞれなので、「1日に○○文字以上書け」とは言えません。仕事の都合で1日1000文字書くのがやっとの人もいれば、1日1万文字書ける人もいると思います。

 ただ、web小説で言えば定期的に更新できない人の作品はPVが伸びにくい傾向にあると思われます。ブックマークをしていても、続きがなかなか更新されなければ外される原因にもなります。

 書籍化するとなると、締め切りがあります。そこまでに出来上がらなければ多くの人に迷惑をかけてしまいますし、最悪書籍化の話も無くなってしまいます。

 また、定期更新ができないと、いつまでたっても作品が完結しないことになります。

 書籍化決定後のことを考えると、やはり定期的に更新できるような体力、計画性はあった方が良いでしょう。そうでなければ、書籍化決定後に苦労しますし、安定した書籍化ができなくなります。

4.予定が詰まりすぎている

 仕事で忙しい、人付き合いで忙しい、ゲームなどやることが多くて忙しい……

 そうやっていろいろとやっているうちに一日が終わってしまい、疲れて執筆の気力がなくなる人は多いのではないかと思います。

 もちろん生活のためには仕事は大事ですし、人付き合いはおろそかにすることはできません。また、人生の楽しみの時間は必要不可欠です。

 ですが、「書籍化」という目標があるのであれば、どこかで執筆の時間を作らなければなりません。その時間を確保できない人は、上記のことを理由に執筆し無くなってしまいます。これは習慣化しやすく、「時間さえあれば書ける」という人もいずれ書かなくなってしまいます。

 こうならないためには、「1行でも書く時間を確保する」ということを意識してやっていく必要があります。1日10分とかなら、確保はできるでしょう。少しずつでも進めていけば、作品はいつか出来上がります。

 もちろんアウトプットばかりでは詰まってしまうので、どこかで本を読むなどインプットする時間も確保した方が良いです。

5.批判、改善点、指摘を受け付けない/受け入れすぎる

 Web小説では感想、レビューを受けられることが多いです。人気作品でなければなかなか感想を貰えないので、書き始めたばかりの人なんかは1件でも感想を貰えれば飛び上がるほどにうれしいでしょう。

 そんな中には、厳しい批判や指摘をしてくる人がいますし、改善点を提案してくれる人もいます。これをどう考えるかによって、自身の作品は良くも悪くもなるし、今後の作品に影響を与えるといっても過言ではないでしょう。

 少し指摘されただけで反論をする、とにかく受け付けないという人は、せっかくの改善の機会を失っているといえます。一部とはいえそういった指摘を受けたのであれば、そういった見方をする読者も少なからずいるということです。それらの意見を改善につなげるべきでしょう。

 逆に意見を受け入れすぎるのも良くありません。上記とは逆で、貴重な意見といえど1読者の意見です。1人のために振り回されるということを続けていると、自分の作品では無くなってしまいます。また、取り入れたからといってよくなるとも限りません。

 あくまで他人の意見は「参考」にとどめておき、取り入れて良くなりそうなら取り入れる、ということをしっかり判断できるようになるべきでしょう。

6.ブラッシュアップばかりで作品が完成しない

 代表作があるというのは非常に強いですが、一つの作品に固執しすぎるのも良くないのではないかと思います。

 もちろんその作品が完結していなかったり、人気作で期待する声が多かったりするのであれば続けるべきでしょうが、作品が完結したのであれば次回作を考えた方が良いでしょう。

 また、完結していないのに何度も書き直す人がいますが、まずは完結させることが大切ではないかと思います。

 明らかな誤字を見つけたり、表現がまずかったりした場合ならともかく、先に進まない状態で何度も見直しをしていると、いつまでたっても完結しません。

 まずは完結、そして公募に出す段階でブラッシュアップをする、といったふうにしないと、次々と作品を作れませんし、続きを書くこともできません。

7.努力なしに「読まれない」とばかり言う

 Web小説では人気作品や人気作家以外なかなか読まれない傾向にあり、書き始めた人にはなかなか不利な状況であるといえます。

 読まれるためには、作品の質を上げるのはもちろんのこと、露出を多くする必要があります。つまりはSNSで宣伝をしたり、他の誰かの作品を読みに行って自分という人間に興味を持ってもらったりする必要があります。

 他にも、交流を通じて自身の作品を知ってもらうことも出来ますし、とにかく連載を続けたり作品をたくさん作ったり、投稿時間を工夫したりすることで、読者をつける方法もあります。

 それらの方法があるにも関わらず、書いただけで何もせずに「読まれない」と嘆いている人、いないでしょうか。

 書籍化した後は、自分の本を売らなければなりません。もちろん出版社側の協力や努力は必要不可欠ですが、デビューしたばかりの人の本はなかなか売れないと思います。なので、自分自身でも買ってもらえるように宣伝する必要はあるでしょう。

 そういったことができないと、書籍化しても売れずに続かない、また1からスタート、となってしまいます。努力なしで「読まれない」と嘆いている人は、読まれるための努力を続ける必要があります。

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8.自分の色・主張を大切にし過ぎている

 執筆するにあたっては、自分の書きたいことは大切にしなければなりません。それが無ければ自分で書く意味が無くなりますし、あまり周りに合わせすぎても書く意義を失ってしまいます。

 しかし、書籍化するということは、同時に「売れる本」を作る必要があります。商品として成立しなければ、出版させてもらえないのです。

 売れる本、ということは読者に需要がなければなりません。書きたいように書いて売れるということは、そこに需要があるからです。書籍化するためには、ある程度読者の需要を把握する必要があるのです。

 自分の書いている話は読者に需要があるのか? あるいは他の作品と競争して勝ち残れるのか? そういったことも考えなければなかなか書籍化には至りません。商業用として書籍化するというのは、それだけ大変なことです。

9.身内で褒められすぎている

 身内でのなれ合いが多いグループは「クラスター」と呼ばれ、好まれない場合が多いです。その理由として、例えば読者投票がある公募などで身内で投票し合うなどの状況が産まれるなどが挙げられるでしょう。

 グループを作って、そのグループ内で切磋琢磨して良い作品を作っていくというのはまったく悪いことではありません。ただ、グループに所属していると、そのグループ内でのなれ合いが産まれがちです。そうなった場合、悪い点があっても注意しにくい状況となり、結果としてただ褒められるだけとなってしまいます。

 そうなると、自分の作品の悪い点、改善点に気が付かず、商業では通用しないにも関わらず通用すると勘違いしてしまいます。

 グループ内でのなれ合いには注意し、ある程度緊張感のある場で作品を作ることが、書籍化への第一歩になるのではないかと思います。

 また、グループ内では他の作品の悪口を言いやすい環境になりやすいため、そういった点でも注意が必要です。

10.とにかく行動しない

 書かないというのは言うに及ばず、書籍化したいのに公募にも出さない、誰かにフィードバックを貰おうとしないなど、行動しない人は書籍化には程遠くなると思います。

 もちろんただWeb小説でたまたま書いていた作品に対して書籍化の声がかかることもあると思いますが、そのためには作品のレベルがかなり高くないといけません。多くの人はそのレベルには達していないでしょうし、運も必要となります。

 待っているだけでは書籍化にはそうそう至りません。自分から積極的に行動し、書籍化デビューを勝ち取りましょう。

番外編:運が悪い

 どれだけ頑張ったとしても、どうしても運の要素というものは絡んできます。めちゃくちゃ自信作ができて、書籍化されている作品にも負けず劣らないと思って公募に出しても、それ以上にめちゃくちゃ凄い作品が何作品も参加していると勝ち目がなかったりします。

 また、応募作品数が多い公募だと、下読みの人に合わない作品だった場合はそこで弾かれてしまう可能性もあります。いわゆる「下読みガチャ」というものが存在するそうで、そこで弾かれても別の公募だと通った、という例もあります。ですので、最終的には運が良くなければなかなか書籍化できない、ということになります。

 こう書くと「なんだ、結局最後は運じゃないか」と思うかもしれません。しかし、最終的な運ゲーにたどり着くためには、努力、継続力、行動力というものが必要不可欠です。何もしなければ運ゲーにたどり着くことすらできません。

 さらに言うと、実力がついた状態であれば、例え運が悪くとも試行回数を重ねることでいずれは書籍化を勝ち取ることができます。「運が悪い」と思う人はとにかく書いて応募する、落ちた場合は改善を繰り返す、ということをやっていきましょう。

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【意欲】と【行動力】が結果に結びつく

 結局の所、書籍化できない人は、試行回数と努力が足りないからなのではないかと思います。その理由が、最初の方に上げた悪口や不毛な言い争いの時間によるものではないでしょうか。時間を確保し、書き続け、公募に出す行動力が無ければ、書籍化にこぎつけません。

 また、「何故書籍化したいのか」ということも考えた方がいいでしょう。目標が無ければ意欲も無くなります。「書くことによって伝えたいことがある」のであれば、何も書籍化だけが手段ではありません。ブログや動画でもそれらの表現はできます。他にも「楽して稼ぎたい」のであれば、別の副業なんかも考えられるでしょう。

 自身の意欲向上のためにも、また結果を出すための行動力につなげるためにも、「何故書籍化したいのか」ということは考えておいた方がよいです。その考え方によって、自身の行動方針も変わってくると思います。