2020年9月28日

第10回書き出し祭り 第4会場感想その3

投稿者: フィーカス

 第4会場の感想の続きです。今回は10-4-18から10-4-25までです。

10-4-18 勇者のいない魔王討伐

https://ncode.syosetu.com/n0353gl/19/

 魔王との決戦直前に勇者が死亡してしまい、これからどうするか悩むパーティの話を描いたファンタジー。

 まず勇者がいない前提というのがおもしろいですね。ファンタジーや異世界=勇者というイメージが一転しますし、設定上「勇者以外に魔王を倒せない」と言い切っているところも良いと思いました。もうこの先パーティの苦難があれこれあるのが予想できるので、続きが期待できるストーリーだと思います。

 最初に勇者が倒されるシーンがあっさりしすぎているので、連載の際はここを詳しく書いた方が絶望感があって良いのではないかと思います。

10-4-19 一陣の疾風となりて

https://ncode.syosetu.com/n0353gl/20/

 イグアナ? を飼うことになったところから始まる現代ファンタジー?

 あらすじがなかったため、本文が発表されるまで内容が予想できず、個人的には「歴史物とかの文芸作品かな?」と考えていました。

 ストーリーはバトルシーン多めのファンタジーになるのでしょうか。イグアナ(仮)の正体が気になるところです。

 早速バトルが始まったり、敵だったはずのキャラクターが突然転校して来たりと、書き出しから急展開が続きます。なので今後の展開が読みづらく、続きが気になるところです。

10-4-20 七代先まで続く呪いを一身に引き受けたら、悪魔たちに呪術王として崇められてしまった

https://ncode.syosetu.com/n0353gl/21/

 大悪魔に七代先まで続く呪いを掛けられたものの、それを自分自身にすべて掛けるところから始まるファンタジー。

 まず、呪いの種類が地味に嫌なものかつかかるとヤバいものばかりというのが良いですね。よく8個思いつくなと思いました。

 そしてラストでまさかの呪った相手をそのまま憑依させるという展開です。何となく一発ネタのように思えますが、意外と呪いによってトラブルを起こしやすいため、長編展開しやすい設定となっています。目的も悪魔と別のボスを倒したり、一緒に解決したりといろいろ考えられるので、意外と続きが書きやすいのではないでしょうか。

10-4-21 侵略のち逆襲。あるいはときどきの探索。

https://ncode.syosetu.com/n0353gl/22/

 未知の島、そこにある「入口」と呼ばれる未知の穴の「向こう側」を探索するファンタジー。SF?

 書き出し部分では「向こう側」の探索があまり進んでいないようで、情報が少なくなっています。これから徐々に明かされていくというのが当作品の目的に用です。

 ドラゴンが出てくるあたりでファンタジーっぽい話かと思ったのですが、どちらかというとSF方面でしょうか。世界観しかなく、まだ侵略についてもあまり触れられていないため、これからの展開が楽しみです。

10-4-22 クオリアの書

https://ncode.syosetu.com/n0353gl/23/

 生涯共にする本と共に過ごす少女たちの物語を描いた学園もの。こんばんは、フィー先輩です(

 本と自分の身体の状態がリンクしているというのは面白いと思いました。こういう重要なアイテム1つあると、そのアイテムから話を広げやすいのがメリットだと思います。

 書き出し祭り用に書いたのか、最初の登場人物が多くてちょっと混乱しそうですが、特徴がしっかり出ているので良いと思います。ファンアートほしい(

10-4-23 『ラックポイントバッファー』 超不運の姫をスキル【幸運値付与】でコッソリ助けます

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「幸運値」というパラメータを分け与える能力を駆使して周囲の人間をサポートする主人公の物語を描いたファンタジー。

 まずタイトルのテンポがいいんですよね。「ラックポイントバッファー」。口に出して読みたいタイトルです。

 書き出しですが、ファンタジーの書き出しとしては珍しく、世界観などを説明するのではなく、現在の状況を示して物語を進行させることを重点にしています。その途中で実践を通じて「ラックポイントバッファー」の仕組みを説明する、という方法を取っています。

 個人的にはもう少し能力の説明が欲しかった(例えば主人公の幸運値の総量はいくらか、など)のですが、それだと説明が多くなるので悩ましいところです。ただ、運の上昇は意外とバランスブレイカーになりがちなので、バフするタイミングが難しいかなと思いました。

10-4-24 愛の形。

https://ncode.syosetu.com/n0353gl/25/

 様々な側面からタイトル通り「愛の形」を描いた恋愛。

 読んだ時点で気が付かなかったのですが、これ百合だったんですね。なんか違和感があると思いました。

 すごいサイコパス的な展開が繰り広げられますが、タイトルを考えれば「これも一種の愛の形なのだな」と納得しながら読むことができます。ちょっと特殊な内容なので苦手な人もいるかもしれませんが、刺さる人にはめちゃくちゃ刺さってとげが抜けなくなるレベルだと思います。

10-4-25 花言葉は不老不死

https://ncode.syosetu.com/n0353gl/26/

 主人公が、先輩が事故に遭う日を何度も繰り返すタイムリープもの。

 書き出しが抽象的な表現、比喩表現が多いため、これが何を意味しているのか現段階では分かりづらく感じます。これが今回のことなのか、過去のことなのか……もしかすると後々解明されるためにぼかしているのかもしれません。

 タイムリープものであることはわかりますが、最終的な目的があればなお良かったと思います。例えば「先輩の事故を阻止する」だったり「ループしている原因を突き止める」だったり、そういったものがあればよかったかなと思います。