素人のアドバイスを簡単に受け入れてはいけない理由
よく「プロの感想と素人のアドバイスは鵜呑みにしてはいけない」といったようなことを聞きます。これに関しては「確かにそうだな」と思う人は結構いるのではないかと思います。
では何故「素人のアドバイスは鵜呑みにしてはいけない」のか、あなたは言葉や文章にして説明できますか?
ここでは、私が考えた、「素人のアドバイスを簡単に受け入れてはいけない理由」について説明していきます。
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1.主観的な意見がほとんどであるため
自分の意見を言う際、わざわざ他の人がどう考えているかを調べてから意見する人はあんまりいないのではないかと思います。
ましてや、読んでとりあえず感想を書く際に、わざわざ「実際この小説作法はどうなんだろう」とか、「こう表現しているけれど、他の小説はどうなっているのかな」とか、そんなことは調べないと思います。さらに言うなら、もし調べる人がいたとしても、その人はわざわざ指摘はしないでしょう。
感想はあくまで自分が感じたことを書く場ですし、自分の考えを書くところです。つまり、ここでアドバイスとして挙げられているものは、まず間違いなくその人の主観でしかありません。
従って、その指摘やアドバイスが正しいかどうかは、読んだだけでは分からないと思います。
2.小説を書いたことがない・経験が浅い場合が多いため
読者の多くは、自分で小説を書いたことが無い人が多いのではないかと思います。そのため、小説を書く苦労を知らず、指摘してくる場合が多いのではないかと思います。
また、文学作品等紙の文章になれている人は、ウェブ小説を読むと違和感を覚えるため、ついつい小説作法や表現について指摘したくなるのではないかと思います。
そして最近は書く側の人も読むことが多く、中途半端に小説作法や書き方に精通している人が「ここは間違っている」としてくる例が多いように感じます。
これらの人は共通して「自分の知っているルールと違う」と感じており、「自分のルールを押し付けようとする」人たちです。考えを押し付けられていると感じたら、無理に従う必要はないでしょう。
3.自分の好みに合わないという理由があるため
展開や好みが合わないという理由からアドバイスをしようとする人もいます。「バトルシーンもう少し長い方がいい」とか、「ここは前ふりがあった方がいい」とか、あたかもいい改善案を提案しているかのようにアドバイスをしてくる人がいると思います。
実はそういう人たちは「好みの展開じゃない」という理由がほとんどではないかと思います。無理にそういう人達に合わせてしまうと、自分の小説では無くなってしまいます。
4.単にケチを付けたい場合が多いため
人の書いた小説に面白いところが無いはずはないのですが、どうしても人は悪いところが目についてしまいがちです。特にケチを付けたい人は、何が何でも悪いところを探して、指摘をすることで気分が良くなろうとします。
もちろん修正した方がいいと思ったことは参考にするとよいと思いますが、無理に聞き入れる必要はありません。修正しても、その人は多分次は読まないでしょうから。
参考にできるものだけを参考にしよう
人の意見を素直に受け入れることは、一見真面目で良いように思われます。しかし、人の意見に左右されるようでは、自分で考えなくなり、人に媚びた作品になってしまいます。それがおもしろいかどうかと言われると微妙です。
万人に受け入れられる作品というのはまずありえません。有名な作品でも、必ず否定する人は現れます。
しかしながら、すべての意見を受け入れないのも良くありません。多少なりとも自分の作品の欠点を述べているわけですから、取り入れられるものは取り入れた方が良いと思います。
創作論なんて、ちょっと小説を書けば語ることができます。しかし、それがすべての人に受け入れられるとは限りません。
自分が参考にできる最強の創作論は、自分が作った創作論です。アップデートは忘れないようにしたいですが、他人の創作論はあくまで「参考」としてとらえるようにしましょう。
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